年金額の地域差、住む場所でどれくらい変わるのか

老後資金

📖 読了目安: 約5分

「年金は全国一律」と思っている方は多いのですが、実際には都道府県によって平均年金月額に2万円近い差が生まれています。これを年間に換算すると約20万円、10年で200万円の開きです。

ただし誤解してはいけないのは、引っ越したから年金が減るわけではない点です。この記事では、年金額の地域差が生まれる本当の理由と、老後の生活設計で考えるべき生活費とのバランスまで、具体的な数字とともに解説します。

この記事のポイント

  • 年金額の地域差は住所ではなく、現役時代の勤務地・給与で決まる
  • 都道府県別の平均年金月額は上位下位で約2万円、年間20万円以上の開きがある
  • 年金額が多い都市部でも生活費が高ければ、実質的な生活水準は地方と変わらない
  • iDeCoや新NISAなど、住む場所に関係なく老後資金を補う選択肢がある

年金額の地域差、実際の数字はどれくらいか

順位 都道府県例 平均年金月額(概算) 年間換算額
上位 神奈川・東京など 約16.5〜17万円 約198〜204万円
中位 愛知・大阪など 約15.5〜16万円 約186〜192万円
下位 青森・沖縄など 約14.5〜15万円 約174〜180万円

厚生労働省の「公的年金受給者実態調査」(最新データ)によると、厚生年金受給者の平均年金月額は都道府県によって上位と下位で約2万円の差があります。たとえば上位の神奈川県では月額約16万円台後半、下位の青森県・沖縄県では14万円台後半といった具合です。

これを年間に換算すると、約20万円から24万円の開きが生まれます。仮に年金受給期間を20年とすれば、生涯で400万円以上の差になる計算です。

ただし、この差は「今その地域に住んでいるから」生まれるわけではありません。次のセクションで、この誤解を解いていきます。

「引っ越したら年金が減る」は誤解、差を生む本当の理由

「引っ越したら年金が減る」は誤解、差を生む本当の理由

前のセクションで示した地域差を見て、「地方に移住すると年金が減るのか」と心配する方がいますが、これは誤解です。年金額を決めるのは現役時代にどこで働き、いくら給与を得て、何年間厚生年金に加入したかであり、老後にどこに住むかは関係ありません。

たとえば東京で30年間会社員として働き、厚生年金保険料を納めた後、65歳で沖縄に移住しても、年金額は変わりません。逆に、ずっと青森で自営業(国民年金のみ)だった人が東京に引っ越しても、年金額は増えないのです。

では、なぜ都道府県別の平均年金額に差が出るのか。それは、その地域に住む人たちの現役時代の働き方・給与水準・産業構造が反映されているからです。次のセクションで、具体的な要因を見ていきます。

地域差を生む3つの要因、あなたの年金はどう決まるか

地域差を生む3つの要因、あなたの年金はどう決まるか

「引っ越したら年金が変わる」わけではないと理解できたところで、では実際に地域差を生んでいる要因は何でしょうか。主に次の3つです。

①現役時代の給与水準
厚生年金の保険料は給与に比例し、将来の年金額も給与が高いほど増える仕組みです。東京・神奈川など大企業の本社機能が集中する地域では、平均給与が高く、結果として年金額も高くなります。一方、地方では給与水準が低い傾向があり、年金額も相対的に少なくなります。

②厚生年金加入期間の長短
正社員として長く働けば厚生年金加入期間が長くなり、年金額は増えます。都市部では正社員として定年まで勤め上げる人の割合が高い一方、地方では早期退職や非正規雇用への転換が多い地域もあり、加入期間の差が年金額に影響します。

③自営業・非正規雇用の割合
国民年金のみの自営業者や、厚生年金未加入の短時間パートなど、厚生年金に加入していない期間が長い人は、年金額が少なくなります。農業・漁業が主産業の地域や、観光業など非正規雇用が多い地域では、この影響で平均年金額が下がる傾向があります。

つまり、「地域差」と呼ばれるものの正体は、その地域の産業構造・雇用形態が個人の年金額に反映された結果なのです。あなた自身の年金額を左右するのは、あなたが働いた場所と期間、そして給与額です。

年金額だけで判断は危険、生活費の地域差も見るべき理由

項目 都市部(例) 地方(例) 差額
平均年金月額 17万円 15万円 ▲2万円
住居費 8万円 0円(持ち家) +8万円
食費・光熱費 5万円 3万円 +2万円
手元に残る額 4万円 12万円 +8万円

地域差を生む要因を理解したところで、もう一つ重要な視点があります。それは、年金額の多寡だけで老後の生活の豊かさは決まらないという点です。

例を挙げます。神奈川県で月額17万円の年金を受け取っても、家賃8万円、食費・光熱費で5万円かかれば、手元に残るのは月4万円です。一方、青森県で月額15万円の年金でも、持ち家で家賃ゼロ、食費・光熱費3万円なら、手元に12万円残ります。

このように、年金額−生活費=実質的に使えるお金という引き算で考えると、年金が少なくても生活費が安い地域のほうが、実は余裕のある生活を送れる可能性があるのです。

実際、総務省の家計調査によれば、大都市圏と地方では住居費・食費に月数万円単位の差があります。老後の移住先を考える際は、年金額だけでなく、住居費(持ち家か賃貸か)、医療機関へのアクセス、日常の買い物環境なども含めて、総合的に判断する必要があります。

地域に関係なく老後資金を増やす方法、今からできること

地域に関係なく老後資金を増やす方法、今からできること

生活費も含めた実質的な生活水準で考えるべきだと理解できたところで、最後に、住む場所に関係なく老後資金を補う方法を確認しておきます。

年金額は現役時代の働き方で決まりますが、それだけに頼らない備えが重要です。たとえばiDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税で、老後資金を効率的に積み立てられます。自営業者なら月6.8万円まで、会社員でも企業年金の有無に応じて月1.2〜2.3万円を拠出できます。

また、新NISAも老後資金づくりに活用できます。年間360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)まで非課税で投資でき、売却益・配当金が一切課税されません。iDeCoと違い、60歳前でも引き出せるため、想定外の出費にも対応しやすい柔軟性があります。

どちらも、どの都道府県に住んでいても利用できる国の制度です。年金額の地域差が気になるなら、地域差のない制度を使って、自分で老後資金を上乗せする戦略が現実的です。

もちろん、掛金や投資額は家計の余裕の範囲で設定し、無理のない金額から始めることが大切です。地方でも都市部でも、現役時代にコツコツ積み立てた資産が、老後の選択肢を広げてくれます。

関連記事

年金額の地域差について、要点を振り返ります。

  • 都道府県別の平均年金月額は上位下位で約2万円、年間20万円以上の差がある
  • 差を生むのは住所ではなく、現役時代の勤務地・給与・厚生年金加入期間
  • 年金額だけでなく生活費の地域差も考慮すると、実質的な生活水準は変わる場合がある
  • iDeCoや新NISAなど、住む場所に関係なく老後資金を補う方法がある

老後の生活設計は、年金額だけでなく、生活費・医療費・住環境を総合的に見て判断することが大切です。まずは自分の年金見込額を「ねんきんネット」で確認し、不足分をどう補うか、早めに考えておくのも一つの方法です。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の年金額や移住先の判断は、ご自身の状況に応じてご検討ください。

本記事にはアフィリエイト広告・プロモーションが含まれる場合があります。紹介する商品・サービスの購入や申込みは、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

このブログの裏側

このブログは、AIを使って記事作成・評価・投稿などを自動化しながら運営しています。
AIブログを実際に作ってみた過程はnoteで公開しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました