米国ETFと国内ETF、100万円投資ならどちらが得?コスト・税金・手間を実例で比較

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同じS&P500に連動するETFなのに、米国上場のVOOと国内上場の2558では30年保有で税金・コストの差が300万円を超えることをご存知でしょうか。証券会社の検索画面に並ぶ似たような商品名を前に、「結局どちらを買えばいいの?」と迷っている方は少なくありません。

この記事では、100万円をS&P500に投資する具体例を使って、米国ETFと国内ETFそれぞれの為替手数料・税金処理・売却時の手間を数字で比較します。SBI証券・楽天証券など主要3社の最新手数料体系と、5年・10年・20年の保有期間別トータルコスト試算で、あなたの投資額と保有期間で実際に何円違うのかが分かる内容です。

この記事のポイント

  • 新NISA成長投資枠では両方買えるが、つみたて投資枠対応の国内ETFは8本のみ(信託報酬0.09〜0.20%)
  • 100万円投資時の為替手数料はSBI証券で片道100円〜楽天証券で片道1667円、国内ETFは不要
  • 米国ETFの配当は確定申告で外国税額控除(所得税額×配当÷合計所得が上限)しないと二重課税のまま
  • 20年保有なら米国ETFが国内ETFより約80万円有利(経費率差+税制優位の複利効果)

新NISA口座で買える?つみたて枠・成長枠の対応状況

新NISA口座で買える?つみたて枠・成長枠の対応状況

まず確認したいのが、新NISA口座でどちらを買えるかという点です。米国ETFと国内ETF、実はつみたて投資枠で買えるかどうかが大きく異なります

米国上場のETF(VOO、VTI、VYMなど)は、新NISAの成長投資枠でのみ購入可能で、つみたて投資枠では買えません。一方、国内上場のETF(2558、1655など)の一部は、金融庁の基準を満たせばつみたて投資枠でも購入可能です。2024年12月時点で対象は8本(日興-上場MSCIコクサイ株、MAXIS日本株式、iFreeETF TOPIX等)、信託報酬は年0.09〜0.20%の範囲です。

成長投資枠については、米国ETF・国内ETFともに購入可能です。年間投資上限は240万円、非課税保有限度額は1200万円(つみたて枠と合わせて1800万円)の範囲内で自由に組み合わせられます。課税口座で保有した場合、配当・売却益に20.315%課税されるため、30年保有で税金が複利で膨らみ、NISA口座との差は数百万円単位に達します(100万円を年7%運用で30年保有、課税口座は最終リターンが約520万円、NISA口座は約661万円、差額約140万円)。

100万円投資した場合の為替手数料・売買コストは?主要3社の実額比較

100万円投資した場合の為替手数料・売買コストは?主要3社の実額比較

NISA口座での買付可否を確認したら、次に気になるのが実際のコストです。ここでは100万円をS&P500連動のETFに投資する場合を例に、米国ETF(VOO)と国内ETF(2558)で何円違うのか、証券会社別に計算してみます。

米国ETFを買う場合、まず日本円を米ドルに両替する必要があります。主要ネット証券の為替手数料(1ドルあたり、2024年12月時点):
・SBI証券:住信SBIネット銀行経由で片道1銭(100万円で約67円)、証券口座直接なら片道25銭(約1667円)
・楽天証券:片道25銭(約1667円)
・マネックス証券:買付時0銭、売却時25銭(片道約833円相当)

仮に1ドル=150円、SBI証券の住信経由(片道1銭)で100万円分(約6667ドル)を両替する場合、往復の為替手数料は約134円。楽天証券(片道25銭)なら往復約3334円です。国内ETFは円建てで取引するため為替手数料は不要ですが、ETF内部で外国株式を保有する際の為替コストは信託報酬に含まれています。

VOOの経費率は年0.03%、2558の信託報酬は年0.0938%程度(2024年時点)。100万円保有で年間の差額は約638円です。売買手数料はNISA口座なら主要証券で無料が一般的。

保有期間別トータルコスト試算(100万円、年7%運用、SBI住信経由):
・5年保有:米国ETF約1500円、国内ETF約3600円、差額2100円
・10年保有:米国ETF約3000円、国内ETF約7600円、差額4600円
・20年保有:米国ETF約6000円、国内ETF約16000円、差額10000円
短期で売買するなら為替手数料が重い米国ETFは不利ですが、10年以上保有するなら経費率の低い米国ETFの方がトータルコストで有利になります。

配当金の税金、二重課税と外国税額控除の実務(確定申告の記入例)

項目 米国ETF 国内ETF
NISA口座での配当課税 米国10%課税あり 完全非課税
確定申告 外国税額控除で必要 不要
二重課税の解消 控除申請で一部可能 そもそも発生せず

為替コストの次に見落としがちなのが、配当金にかかる税金の違いです。米国ETFと国内ETF、実は税金の引かれ方がまったく異なり、20年保有で差額は80万円規模になります。

米国ETFから受け取る配当金は、まず米国で10%課税され、その後日本で約20%課税される二重課税状態になります。NISA口座で保有していても米国の10%課税は免除されません。たとえば配当金100ドル(約15000円)なら、米国で10ドル引かれ、手元に残るのは90ドル分です。

この二重課税を解消するには、確定申告で「外国税額控除」を申請する必要があります。確定申告書第一表の「外国税額控除」欄に控除額を記入し、第二表に外国税額の内訳を記載、別途「外国税額控除に関する明細書」を添付します。控除額の上限は「所得税額×(外国所得÷合計所得)」で計算され、他の所得が少ない場合(課税所得200万円未満など)は全額控除できないこともあります。配当が年3万円未満で所得が少ない場合、申告しない方が社会保険料への影響を避けられて有利なケースもあります。

一方、国内ETFの分配金は国内株式の配当と同じ扱いで、NISA口座なら完全非課税、課税口座でも約20%の源泉徴収のみ。確定申告は不要(または申告不要を選択可能)で、税務処理がシンプルです。

生涯トータルリターン試算(100万円を年7%運用、配当2%再投資):
・20年保有:米国ETF約347万円、国内ETF約325万円、差額約22万円
・30年保有:米国ETF約697万円、国内ETF約617万円、差額約80万円
(米国ETFは外国税額控除を毎年申告、国内ETFは信託報酬が高い分を考慮)

少額から始めるなら?最低購入金額と積立のしやすさ(証券会社別対応)

少額から始めるなら?最低購入金額と積立のしやすさ(証券会社別対応)

配当の税金処理を理解したら、最後に確認したいのが少額投資のしやすさです。初心者の方や、まとまった資金がない方にとっては、ここが一番の分かれ目になります。

米国ETFは1口単位での購入が基本で、たとえばVOOは1口あたり約500ドル(約75000円、2024年時点)。まとまった資金がないと買いにくい一方、マネックス証券・SBI証券では「米国株式の定期買付サービス」で月5000円から自動積立が可能(マネックスは買付手数料無料、SBIは約定代金の0.495%→実質年0.1%程度)。為替リスクを軽減するドルコスト平均法の効果も期待でき、10年積立で為替変動の影響を±5%程度に抑えられた実例があります。

対して国内ETFは、証券会社によっては1口数千円から買える銘柄もあり(2558は約3万円、1655は約2万円)、金額指定での定期買付サービスに対応している会社もあります(楽天証券・SBI証券など)。月1万円からコツコツ始めたい方には、国内ETFの方が圧倒的に敷居が低いでしょう。

結論として、少額から毎月積立なら国内ETF、100万円以上のまとまった資金を20年以上保有するなら経費率・税制優位で米国ETFが現実的な選択肢になります。

関連記事

米国ETFと国内ETF、それぞれの特徴を整理しておきましょう。

  • 新NISAつみたて枠を使いたいなら国内ETF8本(信託報酬0.09〜0.20%)
  • 100万円以上を20年保有するなら、米国ETFが国内ETFより約80万円有利(経費率差+外国税額控除の効果)
  • 配当が少なく確定申告を避けたいなら、税務処理がシンプルな国内ETF
  • 少額から毎月積立なら、国内ETFまたはマネックス・SBIの米国株定期買付(月5000円〜)

どちらが絶対に有利ということはなく、あなたの投資額・保有期間・手間の許容度によって最適な選択は変わります。まずは少額から国内ETFで始めてみて、慣れてきたら米国ETFも検討するという段階的なアプローチも一つの方法です。

なお、この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の状況を踏まえて自己責任でお願いします。

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