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新NISAの口座開設数が2800万を超え、多くの人が初めて投資信託を選ぶ場面に直面しています。証券会社のサイトを開くと「人気ランキング」が目に入り、上位の商品なら安心だろうと考える方も多いでしょう。しかし、人気があることと、あなたに合っていることは必ずしも一致しません。
この記事では、新NISAで実際に人気を集めている投資信託の特徴を示しながら、選ぶ際に見落としがちな注意点と、自分に合った商品を見極めるためのチェックポイントを解説します。
この記事のポイント
- 人気ランキング上位の投資信託でも、リスク許容度や投資期間によっては合わない場合がある
- 成長投資枠とつみたて投資枠の使い分けで、自分に必要な商品が変わる
- 購入後は年1回程度の確認で十分、日々の基準価額変動に一喜一憂しない
新NISAで人気の投資信託、実際の顔ぶれと特徴
2026年7月時点で新NISA口座における人気ランキングを見ると、上位には以下のような投資信託が並んでいます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国・新興国の約3000銘柄に分散投資する商品で、信託報酬は年0.05775%と低コスト。世界経済全体の成長を取り込みたい人に支持されています。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、米国の代表的な500社で構成されるS&P500指数に連動し、信託報酬は年0.0938%。過去の実績から米国株の成長を期待する投資家に人気です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も同様にS&P500に連動しますが、運用会社が異なり信託報酬は年0.09372%。SBI・Vとほぼ同水準のコストで、証券会社によって取り扱いが異なるため選択肢になります。
これらの商品はいずれも低コストで分散が効いており、長期投資に適した設計です。ただし、「人気がある=誰にでも最適」ではありません。次のセクションで、人気商品でも合わないケースを見ていきます。
人気があっても自分には合わない、よくあるミスマッチ
| ミスマッチのパターン | 起こりやすい状況 | 対策の例 |
|---|---|---|
| 株式100%が怖い | 定年後・数年以内に使う予定 | バランス型ファンドを検討 |
| 地域の重複 | 既に米国株を保有 | 全世界株式や新興国株式を追加 |
| 短期で成果を期待 | 半年〜1年で利益を出したい | インデックス投資は10年以上が前提と再認識 |
上で紹介したような人気商品は確かに優れた設計ですが、あなたの状況によっては最適解にならない場合があります。以下の3つのパターンに当てはまらないか確認してください。
パターン1: リスク許容度が低いのに株式100%
全世界株式やS&P500は株式に100%投資するため、暴落時には基準価額が30〜50%下落することもあります。年齢が高く、数年以内に取り崩す予定がある場合、この変動に耐えられず慌てて売却してしまうリスクがあります。定年後の資金を新NISAで運用する場合は、バランス型ファンド(株式と債券を組み合わせた商品)のほうが向いているかもしれません。
パターン2: すでに米国株ETFを保有しているのにS&P500を追加
NISA以外の口座で米国株ETFや個別株をすでに持っている場合、新NISAでもS&P500を選ぶとポートフォリオ全体が米国に偏り、地域分散が効かなくなります。この場合、全世界株式や新興国株式など別の地域をカバーする商品を選ぶほうがリスク分散になります。
パターン3: 短期で成果を求めてしまう
人気商品の多くはインデックス型で、短期間で大きく値上がりする設計ではありません。「半年で10%増やしたい」といった短期目標を持っている場合、期待とのギャップに失望し、途中で売却してしまう恐れがあります。インデックス投資は10年以上の長期保有が前提であることを理解しておく必要があります。
つまり、ランキング上位の商品を選ぶ前に、自分のリスク許容度・既存資産・投資期間を整理しておくことが不可欠です。
成長投資枠とつみたて投資枠、どちらで何を買うか
前のセクションで、人気商品でも自分に合わないケースがあることを見てきました。では、新NISAの2つの枠をどう使い分ければよいのでしょうか。
新NISAには年間240万円の成長投資枠と年間120万円のつみたて投資枠があり、両方を併用できます。つみたて投資枠は金融庁の基準を満たした低コストのインデックスファンドに限定されており、先ほど紹介したeMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズはここで購入できます。
成長投資枠はより幅広い商品(個別株・ETF・アクティブファンド)を購入でき、つみたて投資枠対象のインデックスファンドも買えます。多くの人は、つみたて投資枠で全世界株式かS&P500を積み立て、成長投資枠で個別株や高配当ETFを少額ずつ試すという使い分けをしています。
たとえば、月10万円の積立余力がある場合、つみたて投資枠で月10万円(年120万円)を全世界株式に充て、成長投資枠ではボーナス時に個別株を数十万円分購入する、といった組み合わせです。逆に、株式の値動きに慣れていない初心者は、最初の1年はつみたて投資枠だけを使い、成長投資枠は様子を見てから使う選択肢もあります。
要するに、枠の使い分けは「自動積立でコツコツ増やす部分」と「自分で判断して買う部分」を分けるイメージです。人気ランキングの商品はつみたて投資枠で十分カバーできるため、成長投資枠では自分なりのテーマ(高配当株・割安株など)に挑戦する余地を残しておくとよいでしょう。
購入後の確認ポイント、一喜一憂しないための習慣
ここまで、新NISAで人気の投資信託を選ぶ際の注意点と枠の使い分けを見てきました。最後に、実際に購入した後の付き合い方について整理します。
投資信託を買った後、多くの初心者は毎日のように基準価額をチェックし、数パーセントの下落に不安を感じてしまいます。しかし、インデックス型の投資信託は10年以上保有することで複利効果を最大化する設計なので、日々の変動は無視してかまいません。
確認の頻度は年1回程度で十分です。具体的には、年末や誕生月など自分で決めたタイミングで、ポートフォリオ全体のバランスが大きく崩れていないかを見ます。たとえば、最初は株式50%・債券50%で始めたのに、株価上昇で株式が70%に偏っている場合、一部を売却して債券を買い増すリバランスを検討します。新NISAでは売却しても非課税枠が翌年復活するため、柔軟に調整できます。
売却のタイミングは、ライフイベント(住宅購入・教育費・老後の取り崩し)に合わせて計画的に行うのが基本です。「利益が出たからすぐ売る」「損が出たから取り戻すまで待つ」といった感情的な判断は避け、あらかじめ決めた目標額や期間に達したら淡々と売却する姿勢が長期投資では重要です。
結局のところ、人気の投資信託を選ぶこと自体は悪くありませんが、選んだ後に「なぜこれを選んだのか」「いつまで保有するのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、後悔しない投資の第一歩です。
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新NISAで人気の投資信託を選ぶ際の注意点をまとめます。
- ランキング上位の商品でも、リスク許容度や既存資産との重複を考えると自分には合わない場合がある
- つみたて投資枠で人気のインデックスファンドを積み立て、成長投資枠で自分なりのテーマに挑戦する使い分けが有効
- 購入後は年1回程度の確認で十分、日々の基準価額変動に一喜一憂せず長期保有を前提にする
- 売却は感情ではなく、ライフイベントや目標額に基づいて計画的に行う
人気商品を選ぶこと自体は悪くありませんが、「なぜそれを選んだのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、後悔しない投資の第一歩です。まずは少額から始めて、自分のリスク許容度を確かめながら投資額を増やしていくのも一つの方法です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。
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